小型スポーツカー対決 ロータス・エリーゼとライバルたち 回顧録
公開 : 2018.12.31 10:40
成り立ちの近いロードスター
エリーゼがステアリングを握ってすぐにその基本デザインからくる高い運動性能を感じられるクルマなのに対し、マツダ・ロードスターのよさを理解するには多少の時間を必要とする。
この2台は、ご承知のように深い関係がある。ロータスの初代エランが存在していなかったなら、マツダがロードスターのようなクルマを作ろうと考えるにはいたらなかったはずだ。
そしてエランが登場してからほぼ半世紀が過ぎた今、ロータスのラインナップでその後継となるポジションにいるのがエリーゼである。直接の血のつながりはないにせよ、今回のミーティングでは何か久しぶりに遠い親戚に再会したような感慨があった。
実はロードスターのほうがエリーゼよりもコクピットが狭いと知ったら驚くだろうか。この日本製のリトラクタブルハードトップは、全長ではエリーゼより220mmも大きいのだが、実際に乗ってみるとルーフは頭すれすれに低く、膝まわりはトランスミッションのトンネルとダッシュボードに触れんばかりにタイトだ。
ある意味では、実際に走ってみてもロードスターのほうがコンパクトでもある。エリーゼよりも最小回転半径は小さく、より太いフロントタイヤとリミテッドスリップデフのおかげもあって、タイトなヘアピンなどはむしろこちらのほうが扱いやすいくらいだ。だが総合的には、エリーゼほど軽くて俊敏で完璧にバランスの取れたクルマには感じられなかった。