アウディはすべて似すぎ? 乗ると印象は異なる? 試乗で探る 後編
公開 : 2019.01.03 08:40 更新 : 2021.10.11 14:52
いま、アウディに求められること
結果的に今回の試乗は、MLBエボの高低というパラレルなふたつのラインナップ中の、アッパーミドル4台を乗り比べたといえる。
エアサスによる可変ダンパー&アダプティブシャシーコントロールは、近頃のミドルレンジ以上のドイツ車ではなかば標準装備になっており、ロールを抑制しつつステアリングやレスポンスを速める効果は確かにある。
が、劇的にシャシー特性を向上させるとは思えなかった。MLBエボを共有することの功罪も垣間見えたし、各モデルの味つけの差異は予想以上に明確だった。
実際、今やサイズや用途だけでなく、乗り換え顧客を飽きさせないほど多様なスタイルを揃えることが肝要なのだろう。
だがアウディに限らず、ハイエンドなドイツ車メーカーに必要なことはボディ・バリエーションを増やすだけでなく、白黒銀の無難な仕様だけが「手堅い動産」だと顧客に思われている現状を打破することではないか?
街であまり見かけないブルーやグリーンの優雅な仕様の広報車を見て、そう思わされた。