アウディはすべて似すぎ? 乗ると印象は異なる? 試乗で探る 後編

公開 : 2019.01.03 08:40  更新 : 2021.10.11 14:52

いま、アウディに求められること

結果的に今回の試乗は、MLBエボの高低というパラレルなふたつのラインナップ中の、アッパーミドル4台を乗り比べたといえる。

エアサスによる可変ダンパー&アダプティブシャシーコントロールは、近頃のミドルレンジ以上のドイツ車ではなかば標準装備になっており、ロールを抑制しつつステアリングやレスポンスを速める効果は確かにある。

が、劇的にシャシー特性を向上させるとは思えなかった。MLBエボを共有することの功罪も垣間見えたし、各モデルの味つけの差異は予想以上に明確だった。

実際、今やサイズや用途だけでなく、乗り換え顧客を飽きさせないほど多様なスタイルを揃えることが肝要なのだろう。

だがアウディに限らず、ハイエンドなドイツ車メーカーに必要なことはボディ・バリエーションを増やすだけでなく、白黒銀の無難な仕様だけが「手堅い動産」だと顧客に思われている現状を打破することではないか?

街であまり見かけないブルーやグリーンの優雅な仕様の広報車を見て、そう思わされた。

記事に関わった人々

  • 南陽一浩

    Kazuhiro Nanyo

    1971年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。ネコ・パブリッシングを経てフリーに。2001年渡仏。ランス・シャンパーニュ・アルデンヌ大学で修士号取得。2005年パリに移る。おもに自動車やファッション/旅や食/美術関連で日仏独の雑誌に寄稿。2台のルノー5と505、エグザンティア等を乗り継ぎ、2014年に帰国。愛車はC5世代のA6。AJAJ会員。
  • 神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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