ロードテスト メルセデス-AMG CLS53 ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2019.01.03 17:10

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

初めに触れておくべきは、3代目になったCLSには、先代と異なり猛烈なV8エンジンを搭載した63は存在しないということ。もし似たボディ形状にV8エンジンの組み合わせを希望するなら、AMG GT 4ドアクーペを選択することになる。CLSは、今回のテスト車両でもある、直列6気筒を搭載した53が頂点となるわけ。

CLS53が搭載するエンジンの排気量はちょうど3ℓで、タービンはシングルながら排気側からターボへの系統がふたつあるツインスクロールターボが組み合わされ、さらに吸気側には電動のコンプレッサーが備わっている。その結果得られる最大トルクは逞しく、52.9kg-mをわずか1800rpmから5800rpmに渡って発生させる。最高出力は435psで、レッドゾーンの手前6100rpmで発生する。

さらに低回転域では、電動モーターからのパワーも加わる。このモーターはエンジンと9速ATの間にマウントされ、スターター・オルタネーターとしても機能することで、ハイブリッドシステムのバッテリーも充電する機能も持つ。モーターの駆動電圧は48Vとなり、最大トルクは25.3kg-mを発生することが可能。ただし、モーターの補助はエンジンが低回転で動いている時のみで、モーターとエンジンのトルクを単純に加算したものが、最大トルクになるというわけではない。低負荷時にはエンジンを完全に停止させ、48Vのハイブリッドシステムがモーターやエアコンの送風機へ電力を供給し、長時間の走行をサポートする。

エクステリアデザインは、初期のCLSのように明確な特徴は薄まったが、Eクラスと見間違うことはないだろう。サスペンションはフロント、リアともにマルチリンク式となり、「AMGライドコントロール+」と呼ばれる、エアスプリングとアダプティブダンバーが組み合わされる。高速域では車高が自動で下がり、急な歩道へのスロープなどでは、手動で車高を上げることも可能。

サスペンションの設定にはコンフォートからスポーツ+まで3段階の設定があり、電動パワーステアリングのフィーリングも変化する。もちろんエンジンやトランスミッションなども同様に変更できるから、目前の道路状態などにあわせて、CLS53を自在に調節することができる。

「4マティック+」と名付けられた四輪駆動システムも標準装備で、主にクルマを前進させるのは後輪だが、トラクション状況に合わせてシームレスに、前輪と後輪との駆動力を調整することが可能。ただし、味付けとしてはエンターテインメント性ではなく、実直に走るためのもの。また63Sとは異なり、ドリフト好きにはたまらない、後輪駆動のみのモードも存在しない。

 

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