ロードテスト メルセデス-AMG CLS53 ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2019.01.03 17:10
結論 ★★★★★★★★☆☆
ハイブリッドを得たAMGだが、モデルレンジの中での説得力は高い
メルセデス-AMGが生んだオリジナルモデル、13万5000ポンド(1890万円)のGT63 S 4ドアクーペを正当化させる目的が、この新しい6気筒エンジンを搭載したCLS53には含まれている、とする見方もある。確かにグレード設定としては、その可能性はありえるだろう。しかし、CLS53はそれ自体で充分な説得力を備えたモデルだと思う。
先進的なパワートレインに高級感あふれるインテリア、スムーズな乗り心地にシャープなハンドリングが融合し、CLSに魅惑的なアイデンティティが生まれている。反面、AMGとしてのパフォーマンスを考えると、やや異なる印象を受けることも確かだ。俊足でのめり込むドライビングフィールは得ているが、快適性や洗練性は、やや過剰にさえ感じてしまう。だとしても、V6エンジンを搭載した43よりも魅力的な存在だといえる。
ポルシェ・パナメーラの一強という状況だが、このクラスの中のベストとして、CLS53は同じ成功を目指しているに違いない。ドライバーへの訴求力の面ではポルシェの方が一枚上手ではある。それでもCLS53の魅力は確かなものだとはいえるだろう。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダース
もし英国のメルセデス・ベンツ・ディーラーがAMG GT4ドアクーペの「53」を導入したら、確実に好成績を収めるだろう。しかし、この優れたCLS53よりも2万5000ポンド(350万円)分の優位性を見つけるのは難しいと思う。
サイモン・デイビス
決して魅力がないわけではないが、2004年に登場した初代CLSが備えていたアピアランスの驚きは失ってしまったと思う。4ドアクーペは当時ほど珍しい存在ではなくなったし、他を圧倒するほどの特徴も備わってはいないと思う。
オプション追加のアドバイス
AUTOCARの読者の場合、1695ポンド(23万円)のドライビング・アシスタンスパッケージの重要度は低いかもしれないが、リセールバリューを考えると選んでおいたほうが良いだろう。専用デザインのアルミホイールなどが追加されるAMGナイトパッケージは795ポンド(11万円)のオプションだが、ダークメタリックのボディカラーなど、悪くない選択だと思う。
改善してほしいポイント
・初代CLSが備えていたクリーンで魅力的な曲線を備えていたデザインの方が良い。
・アピアランスに影響がない範囲で、ハッチバックボディに変更したほうが良い。
・インテリアにはもう少しスポーティな雰囲気を加えてほしい。