ロードテスト アウディQ8 ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2019.01.06 11:10
結論 ★★★★★★★★☆☆
完成度も高く魅力的なクーペスタイルのSUVながら、注文も残る
プラットフォームを共有するフォルクスワーゲン・グループのSUVは、優れたモデルもあれば、そうとはいえないものもある。そんな中で、Q8 50TDIはわれわれのロードテストで、星の数は幾つか足りないが、充分な評価を残すことができたと思う。
中には、アウディのモデルに付けられる数字的な意味付けが強すぎるクルマだと感じるテスターもいたが、SUVクーペとしては、最も優れた完成度を得ているといえるだろう。傾斜したルーフラインは実用性を犠牲にすることも少なくないが、Q8の場合は広々とした空間を確保し、洗練されたインテリアを備え、充分なパワートレインと相まって、長距離クルーザーとして極めて高く評価できる。このモデルセグメントの場合、実用性を無視したようなクルマすら存在しているのだ。
反面、ドライバーに対する訴求力という面では、Q8に更にもう一手を欲してしまうことも、否定できない。シャシーの俊敏性と乗り心地を考えると、パワーは不足気味だしキャラクターも薄い。またクワトロ・システムのソフトウエアにも、もっと遊び心があって良いだろう。Q8が特別なクルマになれるか否か、少し見守っていきたいと思う。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイビス
今回、21インチと22インチのアルミホイールを履いたQ8をそれぞれ試したが、乗り心地の違いは無視できるレベル。もし予算に余裕があるのなら、22インチを選んでもいいだろう。
リチャード・レーン
ランボルギーニ・ウルスにはデザイン上の制約もあるから、パワートレイン次第ではQ8が安価なランボルギーニ・キラーになることも可能。よりパワフルなバージョンの登場で注目度は増すだろう。
オプション追加のアドバイス
Sラインを選択するかいしないかで、2万ポンド(280万円)の差が生じる。2500ポンド(35万円)のエクステンド・レザーパッケージに1750ポンド(24万円)の22インチ・アルミホイール、1950ポンド(27万円)の四輪駆動システム、750ポンド(10万円)の360度カメラは選んでおきたいオプションだ。
改善してほしいポイント
・何よりパワーがもっと欲しい。シャシーは更に数十km/hは受け入れることができる余力がある。
・低速域でのトランスミッションのレスポンスを改善して欲しい。現状では不満の方が立ってしまう。
・ステアリング・ラックをよりコミュニケーションの濃いものにしてほしい。現状のQ8の運転感覚は、リモート感覚が強いように感じる。