新型ポルシェ911最新情報 ハイブリッド開発中 同乗試乗でモード切替も
公開 : 2019.01.07 19:10
新型911同乗試乗
フラット6は後で大きく響き、ドライバーが450psを冷えきったリアタイヤにたたきつけると一瞬ピクリとオーバーステアが顔を出す。けれどもホッケンハイムで助手席から味わう新型カレラSは、うれしいくらい伝統的な911そのものだった。
もちろん今回の変更点は数えきれない。とられた手法は革新的だが、あらゆる面で「わずかながらの上積み」があったとポルシェも主張している。
運転支援機能も新しくなっているが、いまのようにサーキットでレーシングドライバーがステアリングをにぎるようなそれらしい状況では、興味はもっぱらその性能だ。
新型のデュアルクラッチ・ギアボックスは、スポーツ・プラス・モードでは低いギアをキープしてよりスロットルレスポンス重視となる。またステアリングもよりギア比が速くなり、ドライバーが全幅の信頼をおいてコーナーへ飛びこむたびに、あの911ならではのバランス感覚をはっきりと味わえた。
さいごに、短時間だが濡れたハンドリングチェック路で標準モードとウエット・モードのちがいを確認できた。
スライドを楽しめる標準モードに対し、ウエット・モードでは制御システムが可能な限り駆動力を確保する。センサーが水しぶきを感知すると、新しく設けられたウェット・モードに入れるようドライバーに促すのだ。これはブレーキ配分を前寄りに、安全装置を作動準備状態に、そしてリアスポイラーを最大のダウンフォースを得られる角度に調整するものだ。
ポルシェが911にこめたドライバー尊重と快適性追求という姿勢は、このはっきりとした対照性からもしっかりと感じとれる。
わずかな同乗試乗で断ずることはできないが、911は新しい992型で1歩前進したとともに、やはり慣れ親しんだ911に変わりはないといえよう。