日本の空冷VWカルチャーの立役者FLAT4が最新デモカー ’67 タイプ-1 CAL-LOOKで示す、ビンテージVWの今

2019.01.09

「空冷フォルクスワーゲン」のニュースです。1967年式「タイプー1」をベースにキャル・ルック(CAL-LOOK)として仕立てた1台。東京都のスペシャルショップ、FLAT4を取材してきました。

text & photo:Daisuke Ebisu(戎 大介)
photo:FLAT4(フラットフォー)

もくじ

空冷VWカルチャーの日本におけるキングピン、FLAT4
FLAT4が新たに作り上げた、一台のCAL-LOOKタイプ-1
オリジナル’67から正調CAL-LOOKに

空冷VWカルチャーの日本におけるキングピン、FLAT4

水平対向4気筒エンジンを意味する “フラットフォー” という単語を聞いて、クルマ好きが真っ先に思い浮かべるものは “空冷フォルクスワーゲン”、そしてあのショップのことだろう。

目黒通りに本社を構えるFLAT4は1976年の設立以来、一貫して空冷VWのレストレーションと車両販売そしてパーツの輸入・開発などを手がけてきたスペシャルショップだが、同時に欧州や北米での空冷VWを取り巻くトレンドやライフスタイルまでも紹介し、我が国の空冷VWカルチャーを牽引してきた中心的存在でもある。また同社では空冷VW用の純正リプレイス・パーツや往年のドレスアップ&チューニング・パーツの復刻も数多く手がけており、今や世界中の空冷VWファンにとってなくてはならないパーツ・マニュファクチャラーとなっている。

CAL-LOOKとFLAT4

皆さんは’80年代に日本でも大流行した “キャル・ルック” というカスタムカーのカテゴリーを覚えているだろうか。CAL-LOOKとはカリフォルニア・ルック(カリフォルニア風)。すなわちアメリカ西海岸辺りのストリートカーをイメージしたカスタムカーのカテゴリーのことである。そのスタイルも車種や年代により様々だが、’70年代に米Hot VWs誌上で提案されたVWタイプ-1カスタムのレシピがその源流であるといわれている。

同誌上で示されたCAL-LOOKとは以下のようなものであった。ボディはバンパーやクロームトリムなどの “余計なモノ” を取り除き、スッキリとした単色のカスタムペイントで仕上げられている。車高は低められ、ワイドなアロイホイール&ラジアルタイヤでスポーティなアピアランスにモデファイ。インテリアは小径ステアリングと競技用メーター、そして張り替えられた内装トリムで引き締められている。当然ながら機関系も排気量アップや大径キャブレター、クロスミッション、レーシング・エグゾーストなどでチューニングされ、Z-CAR(フェアレディZ)やポルシェなどのスポーツカー、そしてデトロイト生まれの大排気量車たちを驚かせるパフォーマンスを持つといったものであった。

そんなCAL-LOOKをいち早く日本に紹介したのがFLAT4のファウンダー小森 隆氏であった。’69 タイプ-1をベースに小森氏はマルーンのチョップトップ・タイプ-1を1976年に完成させた。このクルマが日本におけるCAL-LOOKのルーツともいわれており、その製作がFLAT4設立の契機にもなるなど、FLAT4とCAL-LOOKの縁はとても深いものだといえる。

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