日本の空冷VWカルチャーの立役者FLAT4が最新デモカー ’67 タイプ-1 CAL-LOOKで示す、ビンテージVWの今
2019.01.09
FLAT4が新たに作り上げた、一台のCAL-LOOKタイプ-1
空冷VWのパイオニアならではの深い見識とトレンドリーダーとしてのセンスを武器に、これまでも数多くのカスタムVWを生み出してきたFLAT4。その最新作が同社の新たなデモカーでもある1967年 VWタイプ−1をベースとしたCAL-LOOKである。
“L-282・ロータス・ホワイト”という清楚なボディカラーはVW純正色。CAL-LOOKのセオリー通りウィンドウやランニングボードのクロームモールを取り去られている。フロントフェイスもボディ同色化されたヘッドライト・リムにリロケートされたウインカー、そしてバンパーは小ぶりなTバーに置き換えられており、そのスタイルはまさに王道CAL-LOOKだ。
低められた車高にCAL-LOOK定番のBRMホイールと当時高性能を誇ったタイヤ、ミシュランXZX/XWXが組み合わされた足まわりは、その内側にコニのショックアブソーバーとフロント・ディスクブレーキを隠し持ち、洗練されたハンドリングと余裕あるストッピングパワーを実現している。なお、リアに履く185/70VR 15というタイヤは本来ナローポルシェに使用されるサイズ。’67純正フェンダーを持つこのクルマでは本来履くことのできないタイヤ/ホイール・サイズだが、リアアクスルをショート化することで、さりげなく収めている。
メーターや各スイッチノブ、そしてベンディックス製サファイアVラジオに至るまで’67年のオリジナルディテールを維持したインテリア。小径のスリットスポークステアリングとT字型のクイックシフター、そしてダッシュの真ん中に鎮座するオートメーター製のレブカウンターが、このクルマがドラッグストリップの常連であることを物語っている。シートとドアトリムは、黒系のバイナルレザーとツイードのコンビで張り替えられており、形状はストックを維持しながらもストイックでクールな印象を漂わせている。
’67コンバーチブル・スタイルのルーバー入りリアデッキを開けると、その下には明らかに「速そう」なエンジンが潜んでいた。一見して目を惹かれるのは、軽量アルミ製クランクプーリー、そして2基の2バレルキャブレターだろう。本来レース用キャブであるウェーバー48IDAはタイプー1にはオーバースペックのように感じられるが、このエンジンベイの住人が1776ccに排気量アップされたチューンド・エンジンであるということを考えれば、そのチョイスに納得するだろう。