アルファ・ロメオ 後輪駆動へ回帰 「操舵の王者」奪還へ 技術詳細を解説
公開 : 2019.01.08 11:30
2 ブレーキ・バイ・ワイヤ
アルファは新開発のインテリジェント・ブレーキング・システム(IBS)として、コンチネンタル製のブレーキ・バイ・ワイヤシステム「MKC1」を世界ではじめて採用した。
ブレンボ製キャリパーそのものは従来の油圧作動だが、異なるのははじめの工程だ。ブレーキペダルが直接油圧マスターシリンダーを動かす従来の方式に対し、こちらはペダル踏力がまず油圧の変化として電子制御ユニット(ECU)に送られるしくみだ。
従来のシステムでは1輪あたり10kgの重量となっていたのが、6kgの単一ユニットで済むうえに占有空間も小さくなる。
またペダルの操作感も、ブレーキ温度がどれだけ上昇しようと一貫してしっかりと保たれる。つまり、サーキット走行でもスポンジーにならないということだ。
標準のキャリパーはフロントが4ピストンのアルミ製、リアが単一ピストンの鋳鉄製だ。クアドリフォリオについては、走行試験調整担当のフェデリコ・ランガレッリ・セラーニがいう「平日の通勤も、週末のサーキット走行も両方満足できる設計」を反映して、リアも4ピストンのアルミ製となる。
フロントが6ピストンとなる4輪カーボンセラミック(CCM)ディスクブレーキもオプションで用意される。こちらは1輪あたり5kgも軽量なうえ、制動力/耐フェード性も飛躍的に向上する。