美しいグランドツアラー

グランドツアラー的な性格は、ドライブトレインの設定にも表れている。大きな唸り声を上げることもなく、鋭い直線加速を披露しつつ、V8エンジンのC63なみの懐の深さも備えている。43という数字ほどの扱い難さは感じられない反面、ハイスピードで積極的に走らせたいと思えるほど、自信に溢れるような感覚もない。どちらも、C43が搭載する9速ATの設定によるものだと思う。

クルマのパッケージングの面も、明らかにグランドツアラー的。この部分は、非常に歓迎すべき仕上がりだ。シートは身体のサポート性も高く快適だし、インテリアのレイアウトも直感的に操作しやすく、目に触れる部分の品質も満足できるもの。

インスツルメントパネル内と、ダッシュボード上部に据えられたデジタルモニターのサイズも大きく、グラフィックも鮮明で、表示される情報もとてもわかりやすい。ラグジュアリーな雰囲気を演出するアンビエントライトも備わっている。

エクステリアデザイン、インテリアデザインともに、このC43はメルセデス-AMGを含むメルセデス・ベンツの生み出したクルマの中では、最も魅力的なアピアランスを備えた1台だと、わたしは思う。一方で、もしこのスタイリングがお好みでなければ、メルセデス-AMGのモデルレンジの中でのプレゼンスは低いものになるだろう。

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