長期テスト マクラーレン570GT(最終回) 素晴らしいグランドツアラー
公開 : 2019.01.16 10:50
好意的な眼差し インテリアは要改善
素晴らしい点に戻ろう。このクルマでもっとも感心したのは、まさにその良識とでもいうべきマナーであり、うまく説明することはできないが、ドライバーが感じるフィールや、道行くひとびとからの好意的な眼差しは、本当に素晴らしいものだった。
こうした高価なミッドシップスポーツカーであれば、周囲からの好意的な反応というものは、なかなか期待できないものだが、わずか6年間のうちに、マクラーレン・オートモーティブは、ひとびとに受け入れられることに成功したようだ。
だが、だからと言って、このGT08 MCLのナンバープレートを付けた570GTのすべてが完ぺきだったわけではない。
異音と振動のためにディーラーで点検を受ける必要があった他にも、ノーズリフトは時に不快なサウンドを発生させ、その原因が明らかになることはなかった。しかし、もっと本質的な問題はインテリアの使い勝手だろう。
570GTはマクラーレンが初めて、アウディR8やポルシェ911 ターボSといったモデルに対抗すべく送り出した毎日乗ることのできるスーパーカーだが、こうしたライバルたちに比べ、携帯電話とのペアリングやナビ設定、さらにはラジオの選局といった操作が非常に煩わしい。一度選択したラジオチャンネルを維持しておくのにも苦労したほどだ。