長期テスト マクラーレン570GT(最終回) 素晴らしいグランドツアラー
公開 : 2019.01.16 10:50
それでも選ぶのはこのクルマ
ポルシェの方が燃費に優れ、アウディにはより刺激的なエンジンが積まれているが、それでも、個人的には躊躇なくマクラーレンとの日々をこのまま続けることを選択するだろう。一方で、720Sで著しい改善を見せたとはいえ、毎日乗るモデルとしてさらなる改良が必要なことは間違いない。
だが、570GTのライバルたちを凌駕するドライビングの興奮を考えれば、こうした妥協もさしたる問題ではない。アウディでスリルを感じるには限界にまで迫る必要があり、ポルシェでは決してスリルなど味わえないが、マクラーレンであればスリルとともに、時には甘美さや穏やかさといったものも感じることができるのだ。
このクルマには飽きることがなかった。ときに憤慨したり、ささいな欠点に悩まされることはあっても、この素晴らしいモデルを嫌いになるようなことはなかったのだ。
ランニングコストは決して安いものではなく、オプション装備のなかには驚くようなプライスタグを掲げたものも存在しているが、570GTは非常に素晴らしい印象を残してくれた。
オプションのエグゾーストやカーボンファイバーインテリア、軽量ホイールといったものを選択しなければ、今回のテスト車両の価格は16万9505ポンド(2356万円)に抑えることができたはずだ。
それでも高価なモデルには違いないが、570GTと過ごした日々はそれだけの価値があるものだと感じさせてくれた。
このマクラーレン同等のプライスタグを掲げたモデルを購入対象にできるだけの幸運に恵まれているなら、ぜひ570GTをご検討頂きたい。
セカンドオピニオン(スティーブ・クロプリー)
マクラーレン製グランドツアラーの素晴らしい点は、常に特別だと感じさせつつ、非常に簡単にその実力を発揮できる点にある。ライバルに比べ、570GTで真のドライビングの満足度を得るのははるかに容易い。