ルノー・キャプチャー dCI90 ダイナミック
公開 : 2013.04.26 18:16 更新 : 2017.05.29 19:22
■どんなクルマ?
ルノー・キャプチャーは都市型クロスオーバーであり、工業的にはBセグメント・クロスオーバーというジャンルに属する。このセグメントでは、市場をリードしている日産ジュークの他には、ミニ・カントリーマンぐらいしか2、3年前までは存在しなかった。
現在、ヨーロッパにおけるこのスーパーミニ・マーケットは、74%がハッチバック、11%がベイビーMPV、8%がこのクロスオーバーで、残り5%がエステートカーと言う割合であるという。しかし、ルノーは近い将来8%のクロスオーバーの割合が14%にまで成長するとみている。
ルノー・キャプチャーとプジョー2008は今週いよいよ発売が開始されたし、フィアット500Xやフォード・エコスポーツも間もなくその後を追うことになろう。
キャプチャーは非常に目を引くデザインを持ったクルマだ。試乗車は300ポンド(4.6万円)のオプションとなるダブルトーン・ルーフ・ペイントが与えられていたが、それはAピラーまでが異なるカラーになるために、よりそのデザインを際立たせる。
インテリアは、試乗したモデルにはタッチ・スクリーンのインフォテーメント・システムが装備されていた。また、このインテリアで特徴的なのは、脱着式のシートカバーを持つことだ。これは、ルノーのパテントなのだ。
トレッドは広げられたが、基本的にキャプチャーはクリオと同じプラットフォームを使用する。全長は4100mm、グラウンド・クリアランスは200mm、全高は1530mmだ。ホイールベースは2600mmで、リアのレッグ・クリアランスは最高215mmが確保される。ブートスペースはリア・シートを後方下げた状態で377ℓ、フルに前方にすれば455ℓが確保される。
■どんな感じ?
愉しく、気さくで、明るく、とても質素なモデルだ。それでいて、スタイルをはじめ各所が洗練されている。しかし、キャプチャーはエンスージァスティックなドライバーを刺激するようなものは何もない。
コントロールは軽く、操作しやすい。タッチ・バンドと呼ばれるドライビング・エクスペリエンスを与えてくれるものだ。
90bhpのディーゼルも好印象だ。回転数が高まるとノイジーにはなるが、ゆっくりとした0-100km/h12.6秒というのんびりとしたペースで走るには丁度良い。ただし、長い登り坂などでは、ギアをひとつ落とす必要がある。
燃費は27.0km/ℓ。現実的にも22km/ℓ台はマークできるだろう。
ハンドリングでは唯一ネガティブな点が見つかった。それは速いスピードでコーナーにはいると少しグラグラするということだ。また、本当に酷い路面では多少のバンプを伝えてしまうようだった。
しかし、ビアリッツの路面では基本的に滑らな乗り心地を示してくれた。これが英国ではどのようになるかはまた別問題というところだろう。
とにかく、際立ったルックスと、購入しやすいパッケージが、このキャプチャーの魅力であることに違いはない。
■「買い」か?
キャプチャーはMPVに似た使い方もできるし、何よりもドライバーのライフスタイルを表すことのできるクルマだ。しかも4年保証をルノーがしてくれるのだ。また、ミニ・カントリーマンよりも安い価格もうれしい。エントリー・レベルのdCIディーゼルであれば、13,895ポンド(211万円)からという価格が付け荒れている。また、今後追加される3気筒ターボ・ガソリン・モデルは12,495ポンド(190万円)からだという。
ルノーでは、キャプチャーが英国で2番目に売れるモデルになろうと踏んでいるようだ。
(ヒルトン・ホロウェイ)
ルノー・キャプチャー dCI90 ダイナミック
価格 | 16.395ポンド(249万円) |
最高速度 | 170km/h |
0-100km/h加速 | 12.6秒 |
燃費 | 27.0km/ℓ |
CO2排出量 | 96g/km |
乾燥重量 | 1170kg |
エンジン | 直列4気筒1461ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 89bhp/4000rpm |
最大トルク | 22.4kg-m/1750rpm |
ギアボックス | 5速マニュアル |