試乗 フェラーリ・ポルトフィーノ 600ps クイック過ぎるグランドツアラー

公開 : 2019.01.25 10:10  更新 : 2021.09.26 17:00


よりシャープに、クイックに

そして今回、ポルトフィーノにバトンタッチした。このクルマもカリフォルニアと同じように、初めてのフェラーリとして選ばれるモデルになるだろう。2+2レイアウトは受け継がれているが、後部座席は家族用の席というよりも、小さな子供か、前席ふたりの柔らかいボストンバッグ置場に向いているサイズ。どうしてもという場面でなら、大人4名が座れなくもないけれど。

リトラクタブル・ハードトップも備わり、開閉に要する時間は10.4秒と同じ。充分速い部類だが、安全面などもあり、このメカニズムの更なる高速化はできなかったようだ。インテリアは誰が見てもフェラーリだとわかるものだが、他のモデルよりデザインは大人しい。従来よりも20%も軽量になったシートは、長距離運転でも快適な座り心地。とても親しみやすい車内だと思う。

しかしクルマの性格は変化している。ポルトフィーノのホワイトボディの剛性はカリフォルニアより30%ほど高められ、サスペンション・マウントの硬度は50%もアップ。フェラーリによれば、ボディも大きくなり、エンジンも重くなり、電子部品の数も増えているのにも関わらず、80kgの軽量化も果たしているという。

カリフォルニアTの油圧パワーステアリングにかわって採用された、新しい電動パワーステアリングのレシオは7%クイックになっており、回頭性で見ると10%ほどシャープになっている。さらにサスペンションのスプリングレートはフロントが15.5%、リアが19%高められ、カリフォルニアとは別人格が与えられていると考えてもいい。

英国ではどんな走りを披露してくれるのだろうか。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事