試乗 フェラーリ・ポルトフィーノ 600ps クイック過ぎるグランドツアラー

公開 : 2019.01.25 10:10  更新 : 2021.09.26 17:00


驚異的なエンジンのレスポンス

エンジンは600psという不足のない最高出力を7500rpmで発揮し、77.4kg-mという極太の最大トルクを3000rpmから5250rpmの中回転域で発生させる。まさにチューニングの極みといったところ。IHI製の2基のターボチャージャーは、バンクの外側にマウントされるが、ターボラグはバンク内側のレイアウトを採用したエンジン並みに短い。

スポーツモードでのエンジンのレスポンスと回転の伸びは驚異的。パワーデリバリーも漸進的で、一度味わえば感覚はつかめるだろう。ストロークの長いアクセルペダルを踏み込むほどに、回転数を高めていく。コンフォートモードにすれば、エグゾーストノイズも静かになるが、匿名性を保てるほど声を潜めるわけではない。

フェラーリによれば、488GTBに近いダンピング特性を、ポルトフィーノに設定したとしている。確かに英国の道を走ってみると、どこかミドシップ・スポーツカーのような、鮮やかな挙動を感じられる場面もある。鋭い凹みや不意のコブに出くわしても、衝撃を前後のタイヤで順に受けていなす、しなやかな動きは特筆に値する。

たとえ四輪のサスペンションが激しく動いていたとしても、ポルトフィーノのボディコントロール性は素晴らしく、クイックなステアリングレシオと相まって、貪欲にコーナーへと突き進んでいく。ただし、完璧とまではいえないことも事実だ。

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