ルノー・スポーツ・メガーヌ2.0T 265カップ
公開 : 2012.03.24 15:14 更新 : 2017.05.29 19:23
■どんなクルマ?
鼻先がブラックにペイントされ、デイタイム・ライトを装着したルックスが与えられた。それは「F-1ブレード」と名付けられたルノースポーツの特徴だ。また、ホイール・リム、ミラー、リア・ディフューザーなどに赤くペイントされたレッド・デザイン・パックと呼ばれる装備もなされた。
そのようなエクステリアを持つと同時に、261bhpを発揮するパワー・ユニットを搭載したルノースポーツ・メガーヌ・カップ265が、通常のモデルとしてルノースポーツのラインナップに加えられたのだ。通常のモデルに対し、1,200ポンド(15万円)高の26,250ポンド(343万円)で、その他にもホールドの良いシートや、様々な装置、そしてソフトなサスペンションが与えられる。
更にカップ・シャシーは、ノンカップ・シャシーに対して1,350ポンド(17.6万円)のエクストラコストで、2.3:1のレシオを持つGKNトルク・バイアス・ディファレンシャルと、フロントが35%、リア38が%固く、ロールが15%抑えられるサスペンションと、赤いキャリパーのブレンボ製ブレーキが与えられるのだ。
■どんな感じ?
しかし何よりも重要なのは強化されたエンジンだ。デフォルトの247bhpから261bhpにするためには、ESPボタンを押さなければならない。それを押しておきさえすれば、すべての電気的なトラクションとスタビリティ・エイドが外され、その代わりとしてカップ265の本性がむき出しにされるのだ。
もちろん、電気機器をオフにしてしまえば、若干クルマは手に負えなくなるかもしれない。システムも少なからず効能があるのだということがわかる。しかし、トラクション及びスタビリティ・エイドが効いたカップ265は、本当のカップ265ではない。
速くテクニカルなモンテ・ブランコ・サーキットは、250km/hの最高速のカップ265には丁度よい。適切なブレーキングとターンインを行えばそのタッキングは素晴らしいし、すこしばかり速めのスピードで侵入すれば安定したドリフトを見せる。立ち上がりでみせるトルクフルな感じもドライバーを釘付けにするに十分なものだ。
カップ265は、ドライバーが何をするかを待っている類のクルマではなく、何をしたかに敏感に反応するクルマだ。そして、その反応は素早い。
タイトな26Rでは低くざらざらとしたエグゾースト・ノートと共に、トルクフルなエンジンがぐいぐいとクルマを進行方向にドラマティックに引っ張っていってくれる。ほとんどレーシング・バケットといってよいレカロとテレメトリーシステムがドラマを更に演出する。
■「買い」か?
穏やかでデリケートで慎重な入力が、このクルマの爆発的なオーバーテイク能力を引き出すためには必要になる。一般の路上で乗るのであれば、安定していてドライバーのアクションに無情でもなくウルトラ・レスポンシブでもないノンカップのほうがおすすめかも知れない。カップ265は、ドライバーのどんなミスでも見逃さないシャープさがあるからだ。
いずれにしても、カップ265は本当の「ホット・ハッチ」であることに間違いはない。例えルノーが「クーペ」とそれを呼んだにしてもだ。
(ジョン・シミスター)
ルノースポーツ・メガーヌ2.0T 265カップ
価格 | 24,825ポンド(324万円) |
最高速度 | 254km/h |
0-100km/h加速 | 6.0秒 |
燃費 | 12.1km/l |
Co2排出量 | 190g/km |
乾燥重量 | 1379kg |
エンジン | 直列4気筒1998ccガソリン・ターボ |
最高出力 | 261bhp/5500rpm |
最大トルク | 36.6kg-m/3000rpm-5000rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |