ランドローバー・エクスペリエンス・センター 英国6拠点を巡礼 オフロード性能を体感
公開 : 2019.01.20 10:10
LREスコットランド
ディスカバリー・スポーツ TD4 180 HSE オート
名前の由来われわれの冒険はダンケルド郊外の緑豊かなパースシャー・ヒルから始まった。真っ青な空の下、インストラクターのウィル・コックスと、これから泥だらけになる染みひとつないディスカバリー・スポーツがわれわれを出迎えてくれた。
チャレンジを始める前に、このクルマに備わっていないものをお伝えしておくべきだろう。姉妹モデルのイヴォークと同じく、トランスミッションにローレンジは設定されず、サスペンションはコイル式のため、最低地上高は211mmに制限されている(エアサスペンション仕様のレンジローバーの場合、最低地上高は295mmとなる)。
さらに、われわれのTD4 180には、条件次第で後輪のみを駆動させるだけでなく、トラクションコントロールやトルクベクタリングまで行う、リアe-ディフェレンシャルが特徴のGKN製アクティブ・ドライブラインも装備されていない。
それでも、ステアリングとスロットル、ギアボックスとブレーキ、さらには電子式センターカップリングの設定変更が可能な、ランドローバーご自慢のテレイン・レスポンス(TR)は搭載されており、砂地と泥/轍モードも設定されていたものの、草/砂利/雪モードが1.1km2もの森林コースにはベストマッチだった。
各ブレーキを制御することで、ペダル操作不要で砂利の急坂をゆっくりと下ることを可能にするヒル・ディセント・コントロール(HDC)も役に立ったが、個人的にはオフロード用クルーズコントロールとでも呼ぶべき、オプションのオール・テレイン・プログレス・コントロール(ATPC)には驚かされた。
ステアリングホイールのボタンを操作して最高速に設定すると、ディスカバリー・スポーツは、まるで指先で点字をなぞるかの如くそれぞれのタイヤが慎重に木の根に覆われた地面を探りながら、斜面を登っていく。この機能は素晴らしく、舗装路よりもステアリング操作に注意が必要なオフロードで、ドライバーはその操作に集中することができる。
ここにはテクニックを磨くためのアサルトコースも設置されていたが、われわれの目的は自然のコースを経験することであり、センターの241kmにも及ぶ高台のルートを選択することにした。
ディスカバリー・スポーツは落ち着いた脚捌きで十分なトラクションを発揮し、われわれは旋回するイヌワシに見守られながら、ピトロクリーとケアンゴームズへと続く美しい景色を楽しむことができた。