英国最高のドライビングロード4選 思い出はクルマとともに 景色も重要
公開 : 2019.01.19 10:10
絶景も魅力
本物のドライビングプレジャーに必要なのはスムースな流れであり、アクセル全開で走らせる必要などない。さらに、こうした場所では息を飲むような絶景も楽しめるのだから、500ps以上のパワーと格闘している場合ではなく、それも今回スーパーカーを選ばなかった理由だ。
最高の絶景は標高の高い場所でこそ楽しめるが、スキーセンターを通り過ぎたところにあるスペースが個人的なお気に入りだった。
何か食べようと、タインドラムにあるリアル・フード・カフェに立ち寄ることにした。ここでは、わたしがビーガン向けのスコティッシュブレックファーストをオーダーしたことにベジタリアンのレーシーは感心していたが、それよりも2002年版の道路地図を見ていることに驚いたようだった。
申し訳ないが、2575kmにも及ぶロードトリップを計画するのに、これ以外に紙の地図を持っていなかったのだ。次の目的地は、リチャード・ブレムナー推薦の湖水地方北部だ。
ブレムナーとは30年以上の付き合いになるが、彼よりも方向音痴な人間などひとりしか知らないのだから、彼がB5305号線を選んだ理由に興味があった。M6号線のペンリス出口にある41番ジャンクションから始まるこの道は、ウィグトンという名の村まで続いている。
ブレムナーの言うとおり、地図からはそれほど取り締まりに注意が必要なようには思えないが、実際に行ってみればそうではないことがすぐに分かる。彼の忠告は正しかったのだ。
わずか全長29kmの道路だが、この道はほかとはまったく違う。挑戦しがいのあるタイトコーナーをいくつも通過するうちに、どれほど走り廻ったのかも分からなくなってしまうほどだ。
ここでのドライビングには、ある程度の規律が必要であり、センターラインを無視するような走り方をすれば、道路の影に潜んでいる警察官に直ぐに見つかってしまうだろう。一方で、ここには交通量が少なく、安全に追い越しをできるだけの十分な長さを持つフラットな直線が続いてもいるのだ。
天気がやや回復し、カンブリア山脈の南側には美しい景色が広がっていた。B5305号線は湖水地方、特に湖の周辺や人気の町や村へ行くには必ず通る道であり、春から夏にかけては混雑するが、このB級路を思いっ切り走り廻れば、間違いなくエンジンは調子を取り戻すことができるはずだ。