トヨタ社長、豊田章男 スープラ発表で何を語った? スピーチ全文を掲載
公開 : 2019.01.15 12:26 更新 : 2021.01.28 18:01
デトロイトモーターショー2019にてトヨタ・スープラが発表され、話題になっています。発表のスピートをおこなったのはトヨタ社長、豊田章男です。彼はスープラへの思い、そしてスポーツカー好きへの気持ちを、どのようなことばで伝えたのでしょう? 全文を掲載。
もくじ
ー スープラへの密かな気持ち
ー スープラ復活の裏話
ー スープラとガズー 認められるまで
スープラへの密かな気持ち
皆さん、こんにちは。
皆様に再会できたこと、そして、わたしの最も親しい友人であり、公然の秘密でもある、新型スープラを皆様に紹介できること、とても光栄です。
いかがでしょうか?
最後のスープラが生産ラインを出てから……そして、スープラが「ワイルドスピード」でフェラーリを破ってから、17年が経ちましたが、スープラは、当時と変わらず愛され続けています。
皆さんそれぞれの人生において、特別な愛着を持ち、あなたの心の中で特別な場所を占めるクルマが、1台はあると思います。わたしにとっては、それがスープラです。
ずいぶん昔ですが……わたしはマスタードライバーになるための運転訓練で、中古のスープラと、数えきれない程多くの時間を過ごしました。
他のメーカーが美しく新しいプロトタイプで走行しているなか、わたしに向けられた視線や冷やかしは、想像できるでしょう。
わたしは、スヌーピーに出てくるチャリー・ブラウンのクリスマスツリーの様に、何の飾りっけのないクルマを走らせていたわけです。
スープラは素晴らしいクルマでしたが、でも、やっぱりね……。
ですから、トヨタは新しいスープラをつくる計画はありませんでしたが、世界中の多くの熱狂的なスープラファンの皆さんと同様、わたしは密かに、このクルマを復活させたい、と願っていました。