初試乗 ポルシェ911(992)カレラ4S 着実な進化 普遍のポルシェ像

公開 : 2019.01.17 22:11  更新 : 2019.01.17 22:44


どんな感じ?

一般道でも満足できるポルシェらしさ

まずは、以前のテストで充分な仕上がりを確認できた時と同じサーキットで、カレラ4Sに乗る。四輪駆動の992は極めて速く安定している。その完璧な仕上がりは、サーキットで何時間でも走っていられそうにすら感じるほど。ピットに戻るのは、燃料切れの時くらいかもしれない。

その完成度の高さや優れたスペックは、一般道ではやや過剰なのではないかと不安になるものでもある。現代の多くのスポーツカーがそうであるように。しかしポルシェの真骨頂は、非常に速く柔軟でありながら、スピードをそれほど出さなくても、満足感の高いドライビングを楽しめること。現代の911が備えている最大の魅力だと思う。

もし初期型のポルシェ911を可能な限り速くドライブしたら、今でも通行人を驚かせるようなスピードで走ることは可能だと思う。ポルシェは992の発表会のときに、そんな初期型の1963年製ポルシェ911を一緒に並べた。わずか131psで、タイヤの幅は165。ホイールは15インチだ。わたしの目には素敵に映った。しかし最新の992とスタートダッシュを比べたら、シフトチェンジする前に視界から消えるだろう。

992を一般道で走らせるとどうか。恐らく、エンジンのポテンシャルをしっかり確かめることは不可能だ。レブリミットは7500rpmで、7速PDKにかわり8速PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング:デュアルクラッチAT)が組み合わされている。シフトアップもシフトダンも、驚くほどシャープで速い。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事