初試乗 ポルシェ911(992)カレラ4S 着実な進化 普遍のポルシェ像
公開 : 2019.01.17 22:11 更新 : 2019.01.17 22:44
回したくなるターボエンジン
エンジンの発するサウンドは、とりわけ特別な印象はない。メルセデス-AMGやアストン マーティンが搭載するV8エンジンの荒々しいものとは異なるが、車内にいるとフラット6特有の愛すべきビートが響いてくる。アクセルペダルを踏み込んで少し戻すと、ウェストゲートバルブが開いたさえずりとともに、ぐずったようなエグゾーストノートが聞こえる。
パワーデリバリーは力強いうえ、ターボラグもほとんど感取されず、回転レスポンスも鋭い。2300rpmから53.9kg-mという太いトルクを発生させるエンジンだが、高回転域まで引っ張りたくなる味わいは、今回も変わらない。
確かに、かつての自然吸気エンジンのような、柔軟なレスポンスは備わっていないものの、もはやそのような不満を並べる時代ではなくなったのかもしれない。電動パワーステアリングや成長し続けるホイールベース、増え続ける車重に水冷エンジン。911は連綿と着実に進化していることに、違いないのだから。
電子制御されるダンパーも標準装備。振動を最小限に抑えるダイナミック・エンジンマウントもしかり。アクティブ・リアステアリングはオプションだが、今回のテスト車両には搭載されていた。ボディコントロールはもちろん良好。タイヤのサイドウォールの厚みと、オプションとなるスポーツシャシーのおかげで10mm車高が低いことを考えると、乗り心地も良い。ちなみにオプションの設定は非常に多岐に渡り、992は簡単に10万ポンド(1380万円)を超える価格になるだろう。