中国の不動産大手「恒大集団」 サーブ親会社NEVSの株式51%を取得
公開 : 2019.01.20 07:10
中国で3番目の規模を誇る都市開発会社の恒大集団が9億3000万ドル(1010億円)でNEVSの主要株主となりました。恒大集团創業者の許家印は成長しつつある電気自動車市場に参入し、事業拡大を図っていく狙いです。
成長を続けるEV産業 迫る中華資本
2012年にサーブが経営破綻し、その後NEVS(ナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン)がサーブを買収した。トロールヘッタンにあるサーブの工場もNEVS所有になり、そこでサーブ9-3ベースの電気自動車などが生産された。設備や施設の買収は成功したが、サーブのブランドとロゴの買収までは合意に至らなかった。
現在は天津市政府が株式を一部保有しており、天津市には年5万台の生産能力を持つふたつ目の工場が2017年に稼働した。その工場では中国市場向けに9-3ベースの電気自動車が生産されている。
NEVSと恒大集団の合意には現在計画中の9-3X EV生産への投資なども含まれる。当初は中国市場向けに販売されるが、EV生産最大手を目指すNEVSは本車種の欧州市場投入を検討している可能性もある。
恒大集団は20億ドル(2179億円)規模の契約を以前にもアメリカの新興EVメーカー、ファラデー・フューチャーと締結させようとしたが、創業者との紛争や資産凍結などもあり、計画はうまく行っていなかった。
二社は新たな合意を2018年の暮れに締結させた。これにより新興EVメーカーの先行き不安が打開されることが期待されている。
恒大集団の担当者は「新エネルギー車に関する技術開発を行う会社を買収することで、われわれの役員は恒大集団全体の成長戦略が強化され、急成長中のEV産業での確かな競合性を確保できます」とサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)に語った。