試乗 アウディTT 45 TFSI クワトロ スリルに欠けるが完成度高し
公開 : 2019.01.30 10:10
どんな感じ?
スポーツカーらしい楽しさは薄い
改良された7速DCTについては、昨年マン島で行われたTTSの初試乗の記事ですでに触れているが、今回も同様の印象だった。特にマニュアルモードは好感触。変速を渋るきらいがあった従来の6速とは違って、パドルシフトの操作に格段にすばやく反応するようになった。
TTは今や、ストレートでは最速のホットハッチに負けてしまうが、それでも0-100km/h加速は5.2秒と十分俊足で、価格が近いBMW Z4 sDrive30iよりも0.2秒速い。ただ、振る舞いが健全すぎてドラマに欠けるのは、純粋主義者にとっては気に入らないだろう。
4気筒ターボのサウンドは好ましく、回転数を問わず、ほとんどラグなく反応してくれる。しかし、加速することがほかのスポーツカーほど喜びに満ちたものでないのは事実だ。
この一因には、車速に応じてステアリングのギア比が変わるプログレッシブステアリングがありそうだ。精密ながら非常に軽く、高速域でもおどろくほど落ち着いている。これは5つのドライブモードすべてを試してもそうだった。走りにあまり興味のないドライバーならこの短絡的なアプローチを評価するだろうが、ドライビングに深く関わりたい向きにとっては好ましいものではない。