試乗 フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR 7代目GTI最後の特別仕様
公開 : 2019.01.23 19:20 更新 : 2019.01.23 19:32
一般的なレーシングコースを主眼に
標準のGTIパフォーマンスと同様に、GTI TCRも電子制御ロックデフ「eデフ」を標準装備。クラブスポーツSにも採用されていた大径17インチのコンポジット・ブレーキディスクにブレーキキャリパーを包むように、18インチの鍛造アルミホイールが足元を飾る。サスペンションもGTIパフォーマンス用の通常のパッシブダンパーだが、減衰力は硬く設定し直されている。コイルスプリングもレートが高められ、5mmだけだが車高は低くなっている。
このGTI TCRの開発に携わった、フォルクスワーゲンのツーリングカー・レーサーを務めるベニー・ロイヒターによれば「クラブスポーツSよりもさらに硬くなっています」とのこと。さらに「クラブスポーツとの大きな違いは、ネガティブキャンバーが強く付けられていることです。TCRは一般道での走行だけでなく、一般的なレーシングコースを主眼に入れて開発しています。クラブスポーツSは、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにセッテイングが合わされていましたからね」と話してくれた。
このGTI TCRには、ふたつのシャシー・オプションパッケージが選択できる。19インチの鍛造アルミホイールにアダプティブダンパーが付くものと、異なるデザインの19インチ鍛造ホイールに、アダプティブダンパー、ミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2タイヤが付くもの。どちらのパッケージも最高速度の249km/hでのリミッター制御が外され、ポテンシャルを100%発揮できるようになる。英国での価格はまだ決定していないが、オプションパッケージは3000ポンド(41万円)程度はTCRの価格に上乗せされるだろう。
サーキット前提と聞くと、一般道での振る舞いに不安を感じる読者もいるはず。それでは、最後の7代目ゴルフGTIのスペシャルバージョンを確かめてみよう。