回顧録 比較試乗 911カレラ vs GT2 RS 価格差2倍の差は?
公開 : 2019.01.23 10:40 更新 : 2019.01.24 11:39
驚くべき速さのGT2 RS
MIRAに再集合した2日目は、天候こそ1日目より多少マシにはなっていたが、サーキットのコンディションは寒くてウェットであり、理想的というにはほど遠かった。それでもGT2 RSは、ちょっと驚くような数字を記録してみせてくれた。7.1秒という0-161km/h加速タイムだ。これはドライでノーマルのGT2が出した記録を0.8秒も短縮しており、そればかりかフェラーリ599よりも速い。
そしてそれ以上に劇的な形でこの911の動力性能の強烈さを印象付けたのが、静止状態から241km/hまでの加速タイムだ。ウェットにもかかわらず、なんと15.0秒で到達してみせたのである。比較対象を例に挙げてみると、マクラーレンF1が12.8秒、GT3 RSが20.1秒、そしてスタンダードモデルのカレラが28.7秒である。
わずか数ラップしただけで、その違いは明白だった。サスペンションに調整機能を持たない標準仕様のカレラがサーキット走行ではあまりに柔らかすぎるフィールだった一方で、GT2 RSはもっともソフトなセッティングでもコーナーでの姿勢がはるかに安定しており、フロントのグリップもはるかにしっかりしている。
ただ、GT2 RSのほうが速かったのは当然としても、その差がストレートでの加速タイムの圧倒的な差から推測したほどの大きさではなく、ラップタイムでわずか3秒にとどまったのは驚きだった。その要因としては、カレラのほうがエンジンパワーを最大限に活用することが容易だった点が挙げられるだろう。