WRC新時代 2019年シーズン展望 今年は激動の1年に
公開 : 2019.02.03 08:10 更新 : 2021.03.05 21:42
オジェ、シトロエンに復帰
すでに6年連続で世界チャンピオンの称号を手にしているにもかかわらず、セバスチャン・オジェのWRCに対する熱意は些かも衰えてはいない。
史上2番目に偉大なラリードライバーとして、このフランス人は毎朝目を覚ますたびに、同じ名前をもつ永遠のライバル、ローブを越えてナンバーワンになるという思いを新たにしているに違いない。
2019年シーズンの話題と言えば、オジェが3つめとなる新たなチームでタイトル防衛に挑戦するということだろう。これまで3つの異なるチームでタイトル獲得に成功したのは、プジョーとランチア、トヨタでチャンピオンとなった伝説のフィンランド人ドライバー、ユハ・カンクネンただひとりしかいない。
オジェは、2013年に4年連続でタイトルを獲得することになるフォルクスワーゲン・チームへ移籍するまで、WRCデビューからの日々をともに歩んだシトロエンへの復帰を選んだのだ。
フォードからの十分なサポートがなかったにもかかわらず、フィエスタでさらにふたつのタイトルを獲得したMスポーツで幸せな2年間を過ごしたあと、オジェは内なる声に従ってシトロエン行きを決めた。
実際、フォードの消極的な姿勢がオジェの決断を促した面もあり、プライベートチームからの参戦でタイトルを獲得したことで、自身のフォルクスワーゲン時代の功績をも上回ることに成功したオジェは、トリッキーな挙動が特徴のC3でふたたびタイトルを手にすることで、ラリー界における名声をさらに確固たるものにしようとしている。
実際、これまでのところ、ローブがタイトルを獲得したのは常にシトロエンとだった……。