274psモデルでも3万ポンド（414万円）以下

一方で、i30ハッチバックNの経験と同様に、このファストバックも基本的にエンジンの印象はさほど優れたものではない。残念とまではいわないものの、Nの評価を高めてくれるものではない。2.0ℓ4気筒ターボは充分な最高出力と最大トルクを湧出し、ほとんどの走行シーンで不満のないパフォーマンスレベルを与えてくれる。設定の幅の大きいシャシーの資質も充分に引き出すことは可能だ。

だが、息を呑むほどの爽快感を与えてくれるユニットではない。額面では274psもの最高出力があるにも関わらず、フルスロットルを与えても駆動するフロントタイヤを空転させることもないから、その味付けが伺い知れる。

エンジンやエグゾーストのノイズは、ホットハッチに期待するであろう音響は得られている。悪くはないが、エキサイティングさや特別さ、という点ではもう少し特徴があっても良い。

ヒュンダイi30の英国における最大の魅力には、まだ触れていなかった。それは、エントリーグレードの250psを発生するファストバックNだけでなく、上級グレードの274psのモデルでさえ、3万ポンド（414万円）を辛うじて切る価格に設定されていること。i30ハッチバックNを購入した英国のユーザーのうち、価格が上乗せになるパフォーマンス・パッケージを選択しなかったのは、わずか2％だったらしい。

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