長期テスト トヨタ・ミライ(最終回) 英編集長が語るFCVの将来

公開 : 2019.01.25 11:30  更新 : 2021.01.28 18:23

需要増大でコスト低減

水素燃料ステーションは徐々に英国のあちこちであらわれており、これまたわずかながらも徐々に増えつつある利用者に向けてほぼ全土を網羅できるまでになってきた。水素は体積でなく重量単位で販売され、1kgあたりの単価はだいたい10ポンド(1400円)というところだ。ミライもix35 FCVも、満タン約5kgの水素で現実的に435km程度走ることができる。

つまりだいたい1kmあたり20円前後ということで、ディーゼルよりも燃料コストはかさむ計算になる(いま、17.7km/ℓのディーゼル車なら燃料代はだいたい10円/kmだ)。むろん台数すなわち利用者が増えれば値段はさがるし、水素使い放題のカーリースプランだってあるのだ。

水素自動車にはほかにも、とくに税制面で経済的な利点がある。政府の新車購入補助金も満額の4500ポンド(63万5000円)受けられるし、道路税や渋滞税もかからないうえに石油燃料車よりも可動部品が少ないので修理整備費用も少なくて済むのは大きい。

現状では稀少車好きが「見つけた!」と喜ぶくらい数はすくないが、水素自動車が根づく基盤はもう整っているのだ。需要が増せば、購入ならびに維持の費用もさがるに違いない。肝心なのは、補給インフラの整備をつづけていくことだろう。

水素は1kgあたり10ポンド(1400円)。ミライは満タン5kgだ。

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