回顧録 ミドル級ミドシップ対決 ケイマンR vs エヴォーラS 前編
公開 : 2019.01.28 11:50
要改善点が多数
作りにはほとんど問題はなくなったが、テスト地までの移動で(決してそれほど長くはないドライブだ)、まだ改善が必要だと思われるところをいくつも見つけてしまったからだ。たとえば視認性の悪い表示系はまるで改善されておらず、特に直射日光が当たるとほとんど判読不能になる。
スイッチ類もまたステアリングホイールの影になって目視できない。ペダルのオフセットも相変わらずだ。また、ケイマンRでドアに隙間が開いているような音がすると指摘したが、それはエヴォーラSにしても同じようなものだ。
アルミ押し出し材製のバスタブ型シャシーはカーペットが裏打ちされているような感触だし、シートだって本革表皮なのだから、ケイマンRのカーボンファイバー張りに比べてもっと快適であってしかるべきなのだが、実際にはケイマンRのほうがドライビングポジションも含めてはるかに優れている。
対するケイマンRのキャビンには、ドイツ車のハッチバックならどの車内でも見られるようなごく標準的な仕上げの素材が使用され、ずっと円熟した環境に仕上がっている。もっとも、ボディ同色のトリムにはちょっと納得がいかないし、わたしならエアコンとオーディオのオプションはやはり選択しておく。