回顧録 Dセグ高速クーペ対決 C63 AMG vs BMW M3
公開 : 2019.01.27 09:20 更新 : 2021.01.30 21:38
ハンドリングはM3優位
そうしたC63のアドバンテージは、田舎道のワインディングではどう発揮されるのか? M3からC63に乗り換え、それを探っていく。代わりにM3を操り、露払いを務めるのはドイツ在住エディターのグレッグ・ケーブルだ。こちらのペースなどお構いなしに、走り慣れたコーナーを滑らかにトレースしていく。
次第に離され、やがてM3の後ろ姿が見えなくなるが、タイトコーナーにアプローチするシフトダウンの雄叫びは聞こえる。C63の自動変速MTは市街地やアウトバーンではスムーズで不満はないのだが、ワインディングでブレーキングしながらのシフトダウンとなると、BMWのツインクラッチ式に比べて変速が遅い。しかしハンドリングは良好だ。操舵応答感がしっかりしているので、自信を持って操れる。
短い直線でM3に追い付いた。その後に待ち受けていたのは、3速で駆け抜ける緩いS字コーナーだ。路面がうねっており、コーナリング性能をテストするには最適な道である。前を行くM3がほとんどロールせずにクリアしていくのに対し、こちらは右に左に揺さぶられる。
C63ではシフトスケジュールのモードは切り換えられるが、ダンパーは走行状況に応じて減衰力を変えるだけなのだ。BMWのようにダイヤルで足まわりを締め上げ、ピッチングやローリングを抑えることはできない。速いM3に付いていくのがやっとだ。