回顧録 ポルシェ911ターボ vs ノーブルM600 価格差2倍の実力は?
公開 : 2019.01.29 11:45
高速巡航へ出発
もっとも、ほかの部分は実にきっちりできており、この室内を気に入らない人はほとんどいないのではないだろうか。特にダッシュボードの組み付けや仕上げ、F15戦闘機のスイッチを思わせるタッチのトラクションコントロールボタンまわりのデザインは実に秀逸である。
マネージングディレクターのピーター・ボートウッドが操作系について説明してくれたが、ほとんどはすでにお馴染みのものであった。目新しいのはiPhoneを車両のベッカー通信システムに接続する方法くらいのもので、それが終わるとすぐさま走り出した。ノーブルのスタッフは少々不安げな顔を見せていたが、それも当然だろう。過去2年間あまり続いた苦労が結実した、たった1台しか存在しない個体を他人の手にゆだねるのだ。
高速M6号線をバーミンガム方面に向かって走り、それからM5号線と国道A40号線を乗り継いでモンマスに向かう頃には、M600に特別な何かが感じられるようになっていた。そのルーツを考えると、今までに例のないほど立派に仕上がったクルマだと思えてきたのである。
ドライビングポジションに慣れるには少々の時間が必要ではあるが、それ以外は驚くほど扱いやすく仕上がっている。どれだけ多くのパワーでどれほどわずかな重量を走らせているかを考慮し、(周囲の状況が許せば)心の誘惑のままにどれほど簡単に何が可能となるかを想像してみると、まったく特筆に値する。