2019年を占う 自動車界、おもな動向は? 協業や復活、政界の影響

公開 : 2019.02.03 09:10

EU離脱への抜き差しならない道

いろいろと意見はあろうが、英国のEU離脱(ブレグジット)への道はたやすくも見通しよくもなかった。そして英国議会やEU本部の動向をみるに、執筆時点ではこの先何が起こっても不思議ではないとしか言いようがない。

それはまた、英国と欧州大陸を股にかけた生産連携をおこなう多国籍自動車企業にとっても、ただでさえ市場が激動にあるときに、まったくもって迷惑きわまりない不透明さといえよう。先行き不透明な状況は何よりも忌み嫌われるのだ。

そこで、ここでは現状についてまとめよう。3月29日の午後11時、英国はEUから決然と離脱する、はずだ。離脱に伴い、二国間関係は離脱協定に基づくものとなる。まあそれも、1月中旬に行われるかもしれない票決で英国議会が離脱協定案を可決できればの話だ。

さもなくば新しい協定をまとめるか、または協定なしで離脱することになる。はたまた離脱そのものの延期や、再度の国民投票となるかもしれない。

いやあ、実に明快そのものではないか。離脱協定に合意しての離脱となれば、新しい通商協定の採決期限となる2020年12月31日までは、ほぼ現状通りの貿易活動が続けられる。逆に協定なしの場合は、二国間貿易は世界貿易機関(WTO)の規定にもとづくか、あるいは別の新しい規定が定められるかもしれない。

それは、これまで関税や通関手続きなしに国境を行き来できる恩恵を最大限に享受して迅速な製品供給網を構築してきた自動車産業をはじめとする製造業全体に、壊滅的な打撃をもたらさないとはいいきれない。

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