長期テスト フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(6) ヒュンダイi30Nとの比較

公開 : 2019.01.31 11:40  更新 : 2021.03.05 21:37


処女作ながら高い完成度

MT:確かにi30Nのサウンドはホットハッチらしいですね。
RB:それにわたしはi30Nのシフトチェンジのフィーリングも好きです。GTIのスムーズで、1足目のギア比が長いという点は良いと思います。でも、i30Nの正確で素早い操作感は満足感も高く、このクラスのクルマとしては白眉のできですよ。

MT:ヒュンダイがどこに予算をかけたのか、良くわかります。ホットハッチを「ホット」にするための鉄則です。わたしとしては、この2台をよく表していると思うのが、ステアリングホイールを握った時に、手に伝わる感触です。ゴルフは手のひらにすっと馴染んで、滑りにくい素材が使われていますが、i30Nはどこか安っぽく感じられます。他の部分も標準グレードのi30と「N」との間で、大きな違いはありません。ゴルフGTIが、立派なシートとゴルフボール状のシフトノブを付けているのとは対照的ですよね。

RB:i30Nのインテリアと比べると、GTIのインテリアは素晴らしい。わたしも2台のホットハッチを見比べて、初めに気づいたのがインテリアの仕立てでした。面白いことに、GTIの方はシート調整がマニュアルなのに、i30Nは電動。GTIのエンジンスタートは一般的なキーをひねる方法なのに、i30Nはキーレス・スタートだったりします。GTIは伝統的な部分を尊重したのかもしれませんが、新しいi30Nの方は、利便性を選んでいます。しかも、従来式の手で引くタイプのハンドブレーキ・レバーを備えている点で、i30Nは大きなアドバンテージを持っているといえるでしょう。GTIの電子スイッチタイプのものより、遥かに良いですよ。

MT:わたしが思うに、i30Nで改めて考えるべきことは、ヒュンダイとして初めてのホットハッチでありながら、この高い完成度を得てきた、ということです。ヒュンダイは漠然と世界最高のホットハッチを目指したのではなく、競争力の高いエンジンとシャシーを生み出すために、しっかりと予算を投じています。それでもまだ、ゴルフGTIにアドバンテージはあるとは思います。
RB:わたしも同感です。GTIがベストチョイス。でも、i30Nはより刺激的な選択肢として有力だとも思います。それに、すべてのオプションを追加したとしてもゴルフGTIより4000ポンド(55万円)近く安いのは、見逃せません。

テスト車について

モデル名:フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
新車価格:2万8320ポンド(390万円)
テスト車の価格:3万2520ポンド(448万円)
燃費:13.5km/ℓ
故障:無し
支出:無し

モデル名:ヒュンダイi30N
新車価格:2万7995ポンド(386万円)
テスト車の価格:2万8580ポンド(394万円)
燃費:10.7km/ℓ
故障:無し
支出:無し

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