IペースとEペースが生まれる場所 マグナ・シュタイアの工場訪問

公開 : 2019.02.16 07:50

マグナ・シュタイア グラーツ工場

90年に及ぶマグナの歴史は、馬車の時代が終わりを告げようとしていたころ、スロベニア移民のヨハン・プフ(アウトバーンには依然として「プフヴェルケ」の標識が立っている)により始まり、1930年代に合併でシュタイア・ダイムラー・プフが誕生するまで、自転車とオートバイ、さらにライトカーの生産を行っていた。

第2次世界大戦後、グラーツ工場は軽量4 x 4モデルと自社ブランドでフィアット500を生産していたが、その後メルセデスやサーブアウディフォルクスワーゲンジープアストン マーティンやミニといったブランド向けの車両生産に乗り出している。

現在ではこうした車両生産だけで、世界29カ国に400以上の拠点を持つカナダの巨大企業、マグナグループの400億ドル(4兆3545億円)にのぼる売り上げの10%ほどを占めており、昨年、グラーツ工場ではさまざまな顧客向けに合計16万8000台の車両生産を行っている。

こうした興味深い事実が、クリスマス休暇前の慌ただしい時期にもかかわらず、カメラマンのリュック・レーシーとともに190psを発揮するEペース RダイナミックS 4 x 4(スタートプライスは3万7870ポンド/540万円だ)でマグナ・シュタイアを訪れ、ジャガーの生産ラインを見学することにした理由だ。


特に、革新的モデルであるIペースの生産工程を見学とともに、なぜ、普通のエンジンモデルであるEペースと同じラインで混流生産することができるのかを知りたいと思っていた。

今回の3日間のツアー計画は単純なものだった。朝早くロンドンを出て、英仏海峡トンネルを素早く通過したあとは、ともかくフランスの警官と130km/hに設定されたオートルートの速度制限に気を付けながら、フランス西部と北部に拡がる空いた道路で距離を稼ぎ、どこか出来る限り遠くの安宿に転がり込もうというのだ。

そうすれば、Google Mapが1593kmと算出した風光明媚なザルツブルクを含むルートの半分以上を初日で消化し、2日目には目的地に辿り着くことができるはずであり、3日目夜のミュンヘンからのフライトで英国に戻るまでに、余裕をもってマグナの工場見学とインタビューを行うことができるだろう。素晴らしい3日間になりそうだ。

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