試乗 シトロエンC5エアクロス・ピュアテック180 ユーティリティ重視のSUV
公開 : 2019.02.21 11:30 更新 : 2021.03.05 21:42
期待に届かない乗り心地
乗り心地はどうかというと、前回試乗したときは、クラス平均よりもわずかに優れているという評価をしている。英国の道を実際に走ってみて、仔細に確かめてみても、同じ感想でまとまりそうだ。特にうねりがある路面状態が一定ではない区間を、一般的なスピードで走行している限り、シトロエン自慢のハイテクなサスペンションは、しなやかなクッション性で心地よい乗り心地を生み出してくれる。
タイヤの突き上げは穏やかに吸収してくれているようだが、ボディの上下動に関しては、他のコンパクトSUVと比較して若干ルーズなようだ。加えて少し残念に感じるのが、コブやうねりが続く路面でのマナーで、柔らか過ぎる設定のためか、思った以上にクルマのノーズが揺さぶられるところ。
プログレッシブ油圧クッション・サスペンションが、期待したほどにセカンダリーライド、路面からの振動を上手に吸収できていない部分があるのだろう。ただし、今回のテスト車両には19インチのホイールが付いていたから、もう少し小さく軽いホイールなら、挙動は変わってくるかもしれない。
コーナリングも、大きくソフトなシトロエンらしいフィーリングに終始する。つまり、ワインディングを走って熱中するような運転を味わえるクルマではないということ。スタビリティ・コントロールをオフにできないこともあり、フロントタイヤのグリップには不足はない。コーナリング中のボディロールも程よくチェックされており、ステアリングの操作に合わせるように、漸進的にクルマが傾く。一方でステアリングは過度に軽いうえ、コミュニケーションもとりわけ豊かというわけではないのだ。