中国市場の今後は
公開 : 2013.05.02 10:58 更新 : 2017.06.01 01:52
「中国の自動車市場の急速な拡大」という言葉は今では決まり文句になっている。しかし、それがどのぐらい拡大するかはほとんど予想がつかない状態だ。
PSAにおける中国市場のエキスパートであるマチュー・ヴェニンによれば、現在、クルマの世界的な需要は1年につき5800万台だが、10年後には南アフリカと中国を中心とするアジアでの需要の増加によって9000万台になると予想される。
2012年の中国における自動車販売は1270万台だった。現在、中国は人口の8%しかクルマを所有していない状況で、この数値は今年1500万台に上ると思われる。
1年に付き7.5%の需要の拡大が見込まれ、10年後には3000万台を消費する国になるだろうとヴェニンは予想する。それでも、人口の20%未満しかクルマを所有していないことになる。ちなみに、ヨーロッパにおける自動車保有率は50%、アメリカでは80%となる。
中国に於けるメインストリームはCセグメントの4ドア・サルーンだ。ハッチバックは市場の5%を占めるに過ぎない。また、ガソリン・エンジンでオートマティック・トランスミッションという組み合わせが圧倒的だ。中国人ドライバーは複雑なマニュアル・ギアボックスを好まない傾向にある。また、ディーゼルに関しても、大気中の微粒子を政府が問題視しているため拡大していない。
現時点では、バイヤーはヨーロッパのクルマに魅力を感じているようだ。最大のシェアを誇るのはフォルクスワーゲンで、マーケットの17%を占めている。また、ヒュンダイとキアの成長は速く、10%を確保している。更に、ビュイックが6%を占める。
日本のメーカーも強く、主にトヨタ、日産、ホンダが健闘していたが、尖閣問題の影響でこの1年で15-20%の落ち込みを見せた。中国政府の無益な抗日政策によって、敵対国とみなされる国の自動車メーカーの落ち込みが加速化したのである。しかしながら、実際には日本車の魅力には抗しがたく自家用車の需要が極端に落ち込むことはない。
中国のブランドとしては、BYDが3.85%、グレートウォールが3.83%、ジーリーが2.95%だが、国内メーカーにはまだまだ成長の余地がありそうだ。