試乗 BMW 7シリーズ745e 光る高級感と洗練性 ライバルに並ぶ魅力

公開 : 2019.02.06 10:40


Sクラスに並んだ乗り心地

ドライビングモードには、電動モーターだけの走行に限定するモードも追加された。その際の最高スピードは140km/hとなる。またバッテリーコントロール・モードも備わり、3.0ℓのエンジンの回転をギアボックスと一体となった電動モーターに伝え電気を生み出し、バッテリーを積極的に充電させることができる。しかし、この手のクルマのオーナーは、標準のハイブリッドモードに設定したままとなるだろう。

745eは、辛うじて僅かな振動が起きる以外、ほとんど一切の音を立てずにスタートする。滑らかに回転する直列6気筒エンジンは、まるで別のクルマに搭載されているかのように遠い存在で、非常に印象深い。電動モーターは27.0kg-mのトルクを発生し、低速域でのスロットルレスポンスは充分鋭い。しかし、アウトバーンで味わえるパワートレインのポテンシャルは、このクルマのひとつのハイライト。

6気筒エンジンとモーターが生む最高出力394psと、1500rpmという低回転から発生する最大トルク61.1kg-mは、ハイブリッドシステムのおかげで200kg重くなった1995kgのクルマを、優雅に走らせるには必要な数字なのだと実感する。前方空間が空いて深くアクセルを踏み込めば、速度計はためらうことなく160km/h以上まで勢いよく跳ね上がる。とても優雅な音を奏でながら。

メルセデス・ベンツS560eもこのBMW 745eも、どちらもアダプティブ・エアサスペンションを採用しているが、S560eの方が一般道での車内への振動の吸収や流暢さは一枚上手だと思う。ただし、今回試した745eにはウインタータイヤが装備されていたこともあり、サマータイヤより振動や音は強めに届けられている可能性はある。7シリーズはSクラスとのギャップをなくしたと考えて良さそうだ。

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