回顧録 Dセグ対決 BMW 3シリーズ vs メルセデスCクラス 前編
公開 : 2019.02.16 07:50
欧州での売れ筋モデルを試す
フルモデルチェンジされたクルマを見てときどき思うことがあるのだが、より切実にニューモデルの必要性を考えているのは、エンジニアよりもむしろマーケティング担当者のほうなのではないのか。フォルクスワーゲンは新型トゥアレグを造るにあたり、古いプラットフォームをそのまま継続使用する決定を下した。こうした判断自体は別に珍しい話ではない。
そして、BMWだけがそうした悪い症候群に感染しないままでいられる理由もない。たとえば5シリーズがそうで、わたしなどは自分で運転するなら現行型よりも先代の旧型にしたいと思っているくらいだ。同様に、最新の1シリーズの乗り心地は確かに向上しているが、旧型に比べてクルマとの一体感が向上したとはまったく感じられない。さて、新型3シリーズはどうなのか?
今回試乗する個体は、欧州でもっとも売れ筋となるであろう320dだ。搭載する2.0ℓのターボディーゼルエンジンは184ps/38.7kg-mを発生し、サイズは2世代前のE39型5シリーズより少し短いだけにまで大きくなっている。しかしながら、BMWによれば装備重量はむしろ従来モデルより減少しており、最大で45kgの軽量化を果たしているという。
今回、BMWが用意してくれた個体は、カタログを30ページ以上に膨らませている原因でもあるオプションを、多少は搭載している。もちろん自分で購入する際にはそれらを選ばないのも自由だし、テスト結果に明確な違いをもたらすような類のものでもない。