ロードテスト アルファロメオ・ステルヴィオ ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2019.02.09 11:50 更新 : 2019.02.16 13:53
結論 ★★★★★★★★☆☆
「真のドライバーズカーだが、SUVの満足感の限界を引き上げるクルマでもある」
アルファロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオは、息を呑む速さと妥協のなさを備える一流のパフォーマンスカーだ。過去10年にトリノから送り出されたクルマで、これに匹敵するものはほとんどない。
所詮SUVだから、中途半端なシロモノだろうと高を括っていたかもしれない。ところが、そうではない。これはスピードとソウル、安定感、そして燃えるような活力を備えている。しかし、ファミリーカーと考えると話は変わってくる。ハードな乗り心地や、時としてやりすぎに思えるハンドリングが、デイリーユースには向かないのではないか、という疑問が湧くのだ。とくに、そのダイナミクスの性質が、ジュリア・クアドリフォリオさえ凌ぐほど妥協知らずに感じられることは、一考を要する。
多くのオーナーがこうした結論に達するのではないかと、われわれは危惧している。とはいえ、逆に心から夢中にさせてくれる、速くエネルギッシュで、素晴らしい稀代のドライバーズカーを歓迎する向きもあるだろう。このクルマには、SUVに期待するような走りの万能性には欠けるかもしれない。けれども、しばしば尊大だが陽気なラテン系スーパーカーのような身のこなしで魅了してくれるはずなのだ。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダース
驚いたのは、スタンディングスタートで電子制御系が駆動系をいかに荒っぽく扱うかという点だ。そこに無難さは一切ないように思えたのだ。これは意図せぬバーンナウトをみせる、510psの4WD車である。
サイモン・デイヴィス
4秒フラットで97km/hに達する510psのハイパフォーマンスSUVに、ヒルディセントコントロールが標準装備されているのは奇妙な話だ。このクルマをオフロードに持ち込むユーザーがそれほど多いとは思えない。
オプション追加のアドバイス
3層コート塗装は約38万円と高額なオプションだが、見栄えは実にいい。カーボンセラミックブレーキに約89万円を払うなら、49万円ほどでカーボンシェルのシートを装着したい。
改善してほしいポイント
・アダプティブクルーズコントロールは標準装備してほしい。
・キャビンのクオリティ改善を。マテリアルのフィッティングや仕上げで、ポルシェ・マカンには遠く及ばない。
・インフォテイメントシステムの8.8インチのタッチパネルディスプレイは、もっと活用できるはずだ。