国内試乗 ホンダ・インサイト コスパの高い3代目

公開 : 2019.02.08 10:25

どんな感じ?

落ち着いたハンドリング

最近のホンダ車に共通する長所がフットワークの質感。操縦感覚にも乗り心地も重質さと据わりが備わり、同格モデルでも新旧で車格が1クラスくらい上がった印象を受ける。インサイトの場合、車格もボディタイプも異なるので新旧比較は無意味だが、全長4.7m未満のセダン全般で見ても良質と言えよう。

試乗モデルは215/50R17を履くEX。バネ下の重さやホイール周りの振動が多少目立ったのは装着タイヤの影響だが、サスストローク速度を抑えつつ沈み込み感があり、揺れ返しの少ないどっしりとした味わいが車重やサイズ以上の落ち着きをもたらしている。先代とはサスストロークの考え方が対照的と思えるほどの違いを感じられる。

ハンドリングに付いては賛否が分かれそうだ。切れ味や軽快感を求めるドライバーなら鈍重と捉えるかもしれない。後輪を軸に前輪を押し付けるように回り込む。車体方向の変化は過不足なく、急激な姿勢変化による揺れ返しはない。

加減速や路面のうねりに対する車体方向の乱れも少なく、修正操舵も極めて少ない。操保舵力は重めの設定で過剰な変化は抑えられている。据わりのいい操舵感も安定とコントロール性の両面で効果的である。乗りこなす醍醐味は薄いが、高速ツアラーと呼ぶに相応しい操縦性である。

これだけでも価格に十分な魅力だ。そこにハイブリッドのパワーと燃費が加わる。エンジンも電動モーターもダウンサイジングして大丈夫か? 心配は無用、それこそ杞憂というものだ。

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