ゴーン問題/アライアンス再構築 日産の1月販売、影響は? 「2019年1月に売れた日本車」
2019.02.27
新車販売クイズ、日本車編です。ゴーン・ショックと、ルノーとのアライアンス再構築に揺れる日産。1月の販売に影響はあったのでしょうか? 販売台数ランキングとあわせてレポートします。
Q:ゴーン前会長の長引く拘留、ルノーとのアライアンス再構築で揺れる日産。1月の新車販売への影響は?
A:悪影響が出た可能性あり。
日産自動車の1月の新車販売(速報値)は、登録車が前年同月比1.0%減の3万6675台と2カ月連続のマイナス、軽自動車が同13.8%減の1万6615台と4カ月ぶりのマイナス、トータルで同5.4%減の5万3290台と2カ月連続での前年割れとなった。
堅調に推移していた軽自動車までもマイナス、しかも軽自動車全体の新車販売がプラスの中で2ケタ減と落ち込んだ事実は、いわゆる “ゴーン・ショック” によるブランドイメージの悪化が影響を及ぼしたといえるかもしれない。
1月の新車販売 登録/軽ともに前年超え
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた2019年1月の全体での国内新車販売台数は、前年同月比2.1%増の40万7970台と2カ月ぶりに前年実績を上回った。カテゴリー別では、
・登録車:同2.3%増の24万9048台(2カ月ぶりのプラス)
・軽自動車:同1.8%増の15万8922台(7カ月連続でのプラス)
を成し遂げた。
1月単月の登録車のブランド別新車販売台数では、トヨタが前年同月比4.8%増(10万9354台)、ホンダが同7.1%増(3万97台)、スズキが同11.3%増(1万744台)、ダイハツが同115.3%増(4417台)、三菱自動車が同2.7%増(3382台)と前年超えを達成したものの、日産自動車が同1.0%減(3万6675台)、マツダが同6.8%減(1万3071台)、レクサスが同9.2%減(5855台)とマイナスに落ち込む。また、ブランドイメージの悪化が長引くスバルは、電動パワーステアリングの不具合による操業停止(1月16日〜27日)もあって、同42.6%の大幅減(5383台)と15カ月連続での前年割れとなった。
一方、軽自動車のブランド別新車販売台数は、1月単月でスズキが前年同月比7.5%増(4万7032台)、ホンダが同10.4%増(3万1251台)、三菱自動車が同15.6%増(5118台)とプラスを達成したものの、シェアトップには同1.4%減ながら5万838台のセールスを記録したダイハツが4カ月連続でつく。また、日産自動車は同13.8%減(1万6615台)、スバルは同28.2%減(1964台)と大きく数字を落とした。
1月の市場動向について業界団体の関係者は、「登録車は年末商戦から今年の初頭にかけて発売された新型車や特別仕様車の効果が表れ、2カ月ぶりに前年超えを達成した。また、軽自動車は新型車の受注が依然として堅調で、7カ月連続でのプラスを成し遂げた。ただし、1月は登録車と軽自動車ともにブランドによって好不調が大きく分かれた。好調なのはトヨタ自動車やホンダ、スズキ、三菱自動車で、登録車と軽自動車ともに前年超えを記録」と解説。
「一方、日産自動車とスバルは、2つのカテゴリーともに前年割れとなった。日産自動車はカルロス・ゴーン前会長の長引く拘留や検査不備の発覚、ルノーとのアライアンス再構築の不明瞭さなどでブランドイメージの悪化が出始めている模様で、販売に悪影響が出ている可能性がある。スバルは相次いだ検査不正によるブランドイメージの低迷に加え、電動パワーステアリングの不具合による操業停止が響いて、大きく販売成績を落とした。いずれのブランドも起爆剤となりそうな新しいモデルがあまりなく、本格的な回復にはもう少し時間がかかりそう」と分析する。
今後の見通しについては、「新型車を中心に受注は好調なので、これらがどれくらい効果を伸ばすかがプラスを維持するためのキーポイントになる。10月に実施予定の消費税アップに対する駆け込み需要はまだ本格的な動きは見られないが、各ブランドともに対策は練っているようだ。経営の再構築を図っている日産自動車とスバルの復活も期待したいところ。一方、世界経済の減速感や日欧EPAおよびTPPでの波及効果、行政機関による統計不正などによって市場の消費マインドがどうなるかは不確定要素」と指摘した。