デザイン vs 質感　いよいよ路上へ

Eペースのツートンのレザーとクロームに囲まれたキャビンは、このクルマの室内に豪華な雰囲気を与えることに成功しており、マカンのモノトーンで虚飾のないインテリアでは太刀打ちすることはできない。さらに、Eペースのデジタルインストゥルメントと、整然としたダッシュボードのレイアウトは、マカンよりもこのクルマでより長い時間を過ごしたいと思わせてくれる。

一方、マカンの数多くのスイッチが並んだ高さのあるトランスミッショントンネルは、ジャガーの整然としたレイアウトとは対照的な雑然とした印象を与え、ポルシェの機能不全に陥っているインテリアデザインを象徴するかのようであり、これに比べれば、まだ、ボタンなどまったくないコンソールのほうがマシだろう。それでも、よく見てみれば、その品質はまさにポルシェと呼ぶに相応しい。

一方のEペースでは、キャビンの仕上げにバラつきがあり、例えば、今回のテスト車両の運転席側と助手席側ドアトリムの取付け状態は並行ではなかった。Eペースのキャビンでは、5万ポンド（710万円）近いクルマだと思わせる部分と、3万ポンド（426万円）以下のモデルにルーツをもつクルマであることが明らかな部分が混在しており、それは、ステアリング裏に見えるグレーの平板な成型パーツであったり、妙な光沢のフェイクレザーのダッシュボードといった箇所に見て取ることができた。

マカンで使用されているマテリアルに派手さはないが、それでも注意深く選択されたソリッドなマテリアルの質感は、より統一感を感じさせるものだった。

それでも、マカンがEペースに対する優位を証明するのに、エクスムーア国立公園に静かに拡がる舗装路以上の場所はないだろう。だが、結論を出すのはまだ早い。この対決はおどろくほど僅差で始まったのであり、マカンとて易々と勝利を決定付けることはできない。勝者を決めるには、エンジンやギアボックス、シャシーとステアリング、荒れた路面やコーナーといったすべてが必要となる。

この2台の公道上でのパフォーマンスは同じように強力で、そのブレーキングは物理法則を無視するかのようであり、コーナーではこうしたクルマには似つかわしくないドライビングを味わわせてくれる。

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