ポルシェ・マカン vs ジャガーEペース 4気筒ガソリンターボ対決
公開 : 2019.02.16 09:50
ハンドリングSUV
全長の短いEペースのほうが重量で上回っているとは意外に思うかもしれない(マカンのプラットフォームには新しく機能的な複合素材が用いられているのだ)。そして、ジャガーが約300hp/psのパワーを誇る一方、ポルシェのパワーが250hp/ps以下に留まると知れば、2台のパフォーマンスには差があって当然だと思うだろう。
だが、実際にはそうではない。Eペースのエンジンはマカンよりも軽々と回り、サウンドも、ポルシェが積むフォルクスワーゲングループ製EA888エンジンがややあっさりとして甲高い一方で、ジャガーの方が魅力的だ。だが、5000rpmを越えると、ポルシェを上回るジャガーの4気筒エンジンのパワフルさは姿を計消してしまうのだ。
もし、この2台の重量当たりのトルク値が非常に近いと知らなくても、それはEペースとマカンに非常によく似たパフォーマンスから推定できたに違いない。それでも、その実際のスペックを考えれば、それは驚きでもある。
さらに、そのクロスしたギアレシオを持つ9速オートマティックギアボックスが忙しくシフトすることで、Eペースのフル加速をマカン以上に感じるのだと思うかも知れないが、実際にその加速力はマカンを上回っている一方、ドライバーズカーのギアボックスとしては、ポルシェの7速PDKのほうがはるかに素晴らしい。Eペースでは、「ドライブ」モードでも、パドルシフトを選択しても、そのギアチェンジにはスムーズさが欠け、ときに見せる乱暴なシフトは、ドライビングの楽しみをスポイルしている。
冬の滑りやすいアスファルトでも、この2台のグリップレベルは同じようなものだが、それでも、より安心できるのはポルシェのほうだ。それでも、その違いはわずかであり、絶対的なものではない。
縦にエンジンを積んだFRベースのマカンのほうが、優れたシャシーバランスとハンドリングレスポンスを備え、無意識のうちにEペースよりもタイトなコーナリングラインを選択している。Eペースのターンインではボディロールが不足しており、横方向の荷重移動への反応も物足りない。
さらに、ジャガーのほうがはるかに早い段階からアンダーステアが顔を出すとともに、ポルシェでは考えられないようなステアリングの乱れが感じられ、例えドライバーがアクセルをオンしても、リアへのトルク伝達が不足している。