新技術ことはじめ 真のパイオニア vs 世間が考えるパイオニア 目指すは名誉回復
公開 : 2019.03.03 16:50 更新 : 2021.03.05 21:42
ホットハッチ
なんだろう? アウトビアンキはフィアット系列として、フィアット製モデルをベースとした車両の販売に注力する一方で、オリジナルのルックスとチューニングを与えた独自モデルもラインナップしていた。
A112は1969年登場のフィアット127をベースにした3ドアハッチバックだったが、1971年にデビューしたアバルトバージョンでは、エンジン排気量を拡大し、そのパワーは41psから59psへと引き上げられていた。
これではホットハッチとは呼べない? いいだろう。それでもまだ、ゴルフGTIに先行したモデルとしては、1974年にシムカからデビューした1100Tiがある。61psに満たない1.3ℓエンジンのパワーを、81ps以上にまで引き上げたホットハッチであり、アルミホイールとブラックアウトされたグリル、さらにフロントに合計6つのライトを設置した外観もホットハッチに相応しく、161km/h以上の最高速と、約12秒という0-97km/h加速は、1974年当時としては決して悪いものではなかった。
だが、アルファ・ロメオがアルファスッドにハッチバックボディを与えるのに10年以上もの時間を掛けなければ、1971年登場のこのクルマこそが、元祖ホットハッチと呼ばれたかも知れないことは、是非覚えておいていただきたい。