新技術ことはじめ 真のパイオニア vs 世間が考えるパイオニア 目指すは名誉回復
公開 : 2019.03.03 16:50 更新 : 2021.03.05 21:42
ロードゴーイングミッドシップ
1966年のジュネーブ・モーターショーで、F1マシンのようにエンジンをドライバーの真後ろに積んだランボルギーニ・ミウラが公開されると、ひとびとは思わず息を飲んだ。しかし、注意深ければ、ランボルギーニがこのミッドシップというアイデアを公道に持ち込んだ最初のメーカーでもなければ、2番手でもないことに気が付いたはずだ。
真のパイオニアの称号は、1962年に登場したルネ・ボネのジェットに与えられるべきであり、このクルマは、1964年にはさらにマイナーなマトラ・ジェットへとその名を変えているが、当時、ジェットのスペックはとてつもないものだった。
ミッドマウントされたエンジンに4輪ディスクブレーキ、4輪ダブルウィッシュボーンのサスペンションを備え、車重は700kg以下に留まっていた。残念ながら、あまりにも高価な価格があだとなり、その見事な才能を発揮すべきオーナーのもとへとこのクルマが辿り着くことはなかった。
そして、ミウラは2番手でもなく、その座は1964年デビューのデ・トマソ・ヴァレルンガのものだが、このクルマには問題が多く、1968年には派手さをましたものの、粗削りなままのマングスタへとバトンタッチしている。