WRCを席巻 ワークスST185セリカ、今いくら? ボナムス・オークション
公開 : 2019.02.14 06:10 更新 : 2020.12.08 18:39
サンレモ・ラリー優勝車というヒストリー
今回出品されたST185セリカ・ターボ4WDは、トヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)で製作された正真正銘のワークスマシンで、エンジンは300ps以上を発揮しXトラック6速トランスミッションを備える。キャビンにロールケージが縦横に走るというバリバリのグループAマシンに仕立てられている。
このセリカはディディエ・オリオールのドライブで1994年サンレモ・ラリーを優勝したクルマそのもので、当時のケルンで登録されたライセンスプレートがそのまま付く。
TTEを退役後1995年にイタリアのジェノヴァに本拠を構えるHFグリフォーネに売却。HFグリフォーネはかつてエッソ・カラーのランチア・ラリーやデルタS4でERCやイタリア・ラリー選手権を闘ってきた有力プライベート・チームだったが1991年を最後に活動休止していた。しかし活動を停止している間にグループAラリーカーは大きく変貌を遂げており、再びチャレンジするための準備としてST185セリカを手に入れたものと思われる。HFグリフォーネは1999年からTTEが製作したカローラWRCでラリーに復活したことから、その布石であったことが分かる。
HFグリフォーネでは実戦に参加することはなく、セリカは1996年に3人目のオーナーとなるコレクターに渡る。カストロール・カラーはそのまま残され、当時より美しいコンディションに保たれ、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのラリー・セクションなどにその姿を見せていた。
そして今回、ボナムス・ルグランデ・マーキュー・ドゥモンド・グランパレ・オークションに出品。その結果は、予想を下回るものだった。