初試乗 新型レンジローバー・イヴォーク 傑作の第2章、明るい光
公開 : 2019.02.18 10:20
大胆な経営ビジョンに対する投資
ジャガー・ランドローバー社(JLR)の赤字決算に関して、専門家のジェームス・アトウッドは以下のようにまとめている。
34億ポンド(4828億円)もの赤字に対しては、どんな理由を付けても、良い評価はできないだろう。この目を疑うような決算だけでなく、2018年第4四半期の売上高の減少も少なくない。ジャガー・ランドローバー社(JLR)が取り組まなければならない課題が明らかになったといえる。主な要因はディーゼルエンジンの開発に対する過剰な投資が、財政的な失策だったといえることで、早急に対応策に転じる必要がある。
一方で、第4四半期の2億7300万ポンド(387億円)の損失が、会社へ財政的な圧迫を強めてしまっている。中国市場での苦戦が代表的な原因ではあるものの、JLRの前年比で47.1%という減少率は、実は自動車業界の平均でみるとまだ良い方ではあった。
ただしフルEVのジャガーIペースは、中国を含めた、今後急成長するであろうEV市場を担える、販売を伸ばす可能性の高いモデルだといえる。そう考えると、今回の31億ポンド(4401億円)に及んだ資産価値の減損は、自社の評価を見直し、これから伸びる分野への体制を整えたとも受け取れる。大胆な経営ビジョンを実施する準備段階だとして、JLRをポジティブに捉えても良いのかもしれない。