クルマの故障診断の秘密、伝道師に聞く エラーコードは当てにならない?
公開 : 2019.02.23 07:50
故障診断の伝道師
エラーコードや診断装置と聞くと、なにやら大変なもののようだが、わたしの横にはその道の達人が控えているのであり、デイビットとともに、彼の父、フランクも業界では「伝道師」としてその名を知られている。
フランクはオーストラリアで最新診断技術についての指導を行い、英国に戻ってきたところであり、去年はモデナを含むイタリアとフランス、アイルランドでも指導を行ったそうだ。南大西洋に浮かぶ英領アセンション島の軍隊や、なかには英国で諜報活動を担当するMI5でも指導を行ったことがあるというが、同然ながらその詳細について極秘扱いとなっている。
そもそも、わたしが初めてフランクの名を耳にしたのは、先日スラウまでディーゼル微粒子フィルターの再生を行っているセラメックス社の取材に訪れたときだった。そのとき応対してくれたスタッフが、フランク・マッシーの名を知っているのがさも当然であるかのように、彼がセラメックス社を訪れたときのことを誇らしげに話してくれたからだ。
フランクがDPFの診断方法を実演するビデオを見て、彼が高く評価されている理由を初めて理解することができた。
現在65歳のフランクは、息子のデイビットとともにイングランド北西部のプレストンで、フォルクスワーゲングループの車両を専門に扱うADSという整備工場を運営しながら、オートインフォームという自動車診断の学校を主宰しており、主に、バッテリーテストや点火不良への対応、さらには排気ガス検査の方法などを教えている。