幻のセレニッシマ、3台を解説 スパイダーは5億円超え アールキュリアル・オークション
公開 : 2019.02.21 06:10 更新 : 2020.12.08 18:08
セレニッシマ・アジェナ
今回スパイダーとともに、セレニッシマ・アジェナとギアGTが出品されたので簡単にご紹介したい。
アジェナはセレニッシマのハイエンド・ミドシップGTとして開発されたプロトタイプとなる。スタイルはこの時代のテイストが感じられるもので、エンジンはこちらもマッシミーノ開発の90°V8 OHC 3.5ℓユニットを搭載。発表後はヴォルピ伯爵のコレクションとして寝たままで、今回のオークションで数十年ぶりに公開されたことになる。
プロトタイプということもあり、現状ではライセンス・プレートが取得できないためオークションでは5513万円で終えてしまった。
セレニッシマ・ギアGT
アジェナに続くGTモデルとして製作されたのが、当時のロードカーとしては最先端のメカニズムであるミドシップを採用したギアGT(ギア・クーペとも呼ばれる)だった。
デザインは当時ヴォルピ伯爵と交友のあったアレッサンドロ・デ・トマゾやカロッツェリア・ギアのラインを活かし、ギアに在籍していたトム・チャーダが担当。そのためか姿を現したギアGTはデ・トマゾ・マングスタとパンテーラの流れを汲むラインでまとめられていた。
エンジンは当初マッシミーノ開発の90°V8 OHC 3.5ℓユニットが搭載されていたが、1969年にアルフ・フランソワの手によるM-167ユニットに換装されている。
1968年のトリノ・ショーとニューヨーク・ショーで公開後、コンクルール・デレガンスでもその姿が見られたが、その後ファクトリーに戻され保管されていた。こちらも当時の姿をそのまま残した状態だったが、プロトタイプでメーカー認証がなく登録できないということもあり、5662万円で終えた。