ボルボ・デザインチームにインタビュー 伝統と革新 EVもたらす新世界

公開 : 2019.03.02 12:05

シンプルなライン 新技術への対応

現在、3名のデザイナーが次世代モデルのデザインに取り組んでいるが、ここで重要となるのが、インゲンラースと彼のチームが磨き上げた現在の美しいミレニアムルックが登場する前、1970年代から80年代にかけて生み出され、1990年代にはピーター・ホーバリーが見事な手腕で新鮮さを与えることに成功した、ボルボのスタイリングにおけるDNAとでも呼ぶべきものを、どのようにして進化させるかということだ。

同じ頃、ドイツのライバルメーカーでは、過剰にプレスラインを多用し、ディテールに拘ったスタイリングを採用することで、世界的なヒットを生み出していたが、一方ではあまりにも煩雑なそのデザインは、批判の対象ともなっていた。

「1枚のボディパネルに、どれだけの要素を詰め込めるかを競うような争いに加わることはありませんでした。むしろ、そうしたものからは距離を置いてきたのです」とインゲンラースは言う。「いまもっとも重要なのは、自動運転とバッテリー式EVパワートレインへの対応です」

2017年にインゲンラースがポールスターの担当となって以降、ページがボルボのチーフデザイナーを努めているが、彼にとっての新しいデザインとは、アッパーボディとグラスエリアの段差を目立たなくさせる、最新のプレミアムデザインを実現するための製造技術といったもののほかに、新しい安全装備や電動パワートレインの採用、コネクティビティや自動運転への対応であり、「よりクリーンな面構成でも、現代的なデザインにする方法は他にもあります」と語っている。

戦略的に、ボルボは未来のモデルラインナップのすべてで、ハイブリッド、プラグイン、さらにはバッテリー式EVパワートレインを導入しようとしており、この際、問題となるのが、同じプラットフォームとボディ骨格に、さまざまなパワートレインをいかに搭載するかということだ。

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